本論文はドローン映像を用いた送電線の自動欠陥検出に焦点を当てています。送電線の欠陥は、サイズが小さく、あいまいで、背景が複雑で検出が困難であることを考慮して、DETRベースの新しい検出フレームワークであるTinyDef-DETRを提案します。 TinyDef-DETRは、境界に敏感な表現を強化するedge-enhanced ResNetバックボーン、ディテールを維持するダウンサンプリングを可能にするstride-free space-to-depthモジュール、グローバル情報と地域情報を一緒にモデリングするcross-stage dual-domain multi-scale attentionメカニズム、そしてFocal-Wise-SIoU回帰損失関数を統合します。パブリックデータセットと実際のデータセットの実験の結果、TinyDef-DETRは既存の検出器の限界を効果的に軽減し、優れた検出性能と一般化能力を示し、同時に適切な計算コストを維持することを示しています。特に、小型で曖昧なターゲットが含まれている状況では、ドローンベースの送電線欠陥の検出に適した方法論であることが示唆されています。