本論文では、運用研究(OR)のトラブルシューティングに大規模言語モデル(LLM)を適用する新しいアプローチであるOR-LLM-Agentを紹介します。従来のプロンプトエンジニアリングや微調整戦略に依存する方法とは異なり、OR-LLM-Agentは、推論能力を持つLLMに基づいて、問題を数学的モデリング、コード生成、デバッグの3つの段階に分解して処理します。各段階は専門化されたサブエージェントによって担当され、これによりより効果的な推論が可能になります。また、既存のNL4OPT、MAMO、IndustryORなどのベンチマークの限界を指摘し、より信頼できるLLM性能評価のために高品質データセットBWORを構築しました。実験の結果、OR-LLM-Agentは、GPT-o3、Gemini 2.5 Pro、ORLMなど、従来の最先端の方法よりも精度の点で少なくとも7%以上の性能向上を示しました。これは、ORのトラブルシューティングに対する作業分解の効果を示しています。