本論文は、オンライン有害コンテンツ(陰謀論)に対する対応戦略として、カウンタースピーチ(反論発言)に焦点を当てている。専門家主導のカウンタースピーチは拡張性に困難があるため、大規模言語モデル(LLM)を活用する方案を提示する。しかし、陰謀論のカウンター音声データセットが存在しないという問題を指摘し、GPT-4o、Llama 3、Mistralモデルを使用して、心理学的研究に基づく構造化されたプロンプトを通じてカウンター音声生成能力を評価する。実験の結果、モデルは一般的で反復的で表面的な結果を生成する傾向があり、恐怖を過度に認識し、事実、ソース、数値などを虚構に生成するという問題を示した。したがって、プロンプトベースの実際の適用には困難があることを示唆している。